新規抗凝固薬 イグザレルト錠について

よつばクリニックは阪急塚口駅南側改札口を出て左、さんさんタウン2号館南東側すぐパスタで有名、タントトマトパスタさんとセブンイレブンコンビニのお向かいにあります。(アクセス方法はこちらから

当院は消化器内科胃を最も得意としています。(日本内科学会総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本医師会認定産業医)

以前ワーファリンに替わる新しい抗凝固剤、プラザキサカプセル(一般名 ダビガトラン)について紹介したことがありますが、2012年4月、プラザキサカプセルに続く新規抗凝固剤、イグザレルト錠(一般名 リバーロキサバン)が発売になっています。適応症はプラザキサと同じ「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」です。

イグザレルトは第Ⅹa因子の活性部位に選択的、競合的かつ可逆的に結合することで、その働きを阻害し、トロンビンの生成を抑制します。 直接的にトロンビンの合成を阻害するプラザキサとの違いです。効果発現は比較的早く、プラザキサの2時間ほどではないものの、約4時間で最高血中濃度に達します。

一方これまでよく使われてきたワーファリンはビタミンKの作用に拮抗しビタミンK依存性凝固因子(第VII、IX、X、II因子)の活性を低下させます。

ワーファリンは効果発現に3~4日かかり、内服を中止しても4~5日効果が継続します。一方、納豆など食事に含まれるビタミンKはワーファリンの働きを悪くしてしまいますし、肝臓の薬物代謝酵素による影響でアルコールや解熱鎮痛剤との併用等でかえってワーファリンが効き過ぎたりする場合もあります。このように食事や薬の影響を受けやすく、効果発現に時間がかかり、中止しても数日影響が残ること、効果には個人差が大きいため、薬の量の調整のため何回も血液検査をして血液凝固能を測定する必要があることなど、安全に効果を発揮するために管理が色々と大変でした。しかし、心房細動による心原性脳塞栓症の予防には抗血小板剤(アスピリン、チクロピジン等)の効果は22%と限定的で、ワーファリンは64%と大きく、ワーファリンによる抗凝固療法が強く推奨されていました。

2011年3月に直接的トロンビン阻害剤であるプラザキサが発売になりました。このお薬はワーファリンと比較してプラザキサ150mg×2/日服用群でワーファリンよりも有意な脳卒中や全身性塞栓症の発症抑制効果が認められました。また、頭蓋内出血の発現率は適切に血液凝固能がコントロールされたワーファリン患者において年0.76%であったのに対してプラザキサ110mg×2/日服用群は0.23%、プラザキサ150mg×2/日服用群は0.32%とワーファリンよりも頭蓋内出血の発現抑制効果が認められました。

このようにプラザキサは優れた薬なのですが、特に150mg×2/日服用群で消化管出血の副作用が多いこと、死亡例を含む重篤な出血の副作用例も報告され、使用には十分注意が必要との注意喚起もなされています。これはプラザキサは腎臓で代謝され、また非弁膜症性心房細動の対象患者さんは高齢者で腎機能が低下している患者さんが多いことと関係しているのではないかと言われています。

プラザキサのその他の副作用としてはディスペプシア症状(上腹部痛・腹部痛・腹部不快感・消化不良)があり、これは薬の吸収を良くするために用いられている添加物の酒石酸が胃内のpHを低下させることなどが原因と言われています。この副作用のため、服用継続がが困難になる症例があることも問題でした。また、カプセル製剤で大きさが大きいこと、1日2回飲まないといけないことなどもネックでした。

第3番目の新しい抗凝固剤、イグザレルト錠は1日1回の服用で錠剤の大きさもかなり小さく飲みやすくなっています。ワーファリンと比較したROCKET-AFスタディでは、ワーファリンと同等かそれよりもやや上回る脳卒中や全身性塞栓症の予防効果があり、副作用については日本では死亡例はなく、ワーファリンと比べて頭蓋内出血例も消化管出血例も約半分くらい少なく、ディスペプシア症状もないという優れた特性を持つ薬です。

このように効果もワーファリンとほぼ同等か少し優れており、プラザキサと同様にビタミンKとは関係しないので、納豆を食べても大丈夫で、効果発現も早く、副作用も少なく、1日1錠1回で錠剤も小さく飲みやすいというすばらしい薬なのですが、プラザキサと比べてCHADS2スコアが0~1点の非弁膜症性心房細動患者さんについては明らかな優位性を出せていない点が唯一劣っている考えられる点です(ROCKET-AFスタディはCHADS2スコア2点以上を対象としており、正確にはCHADS2スコアが0~1点はデータがありません)

CHADS2スコアはうっ血性心不全、高血圧、高齢(75歳以上)、糖尿病を各1点、脳卒中/一過性脳虚血発作の既往を2点として算出し、CHADS2スコア2点以上に相当する場合は、積極的な抗凝固療法を行うことが推奨されています。

しかし、プラザキサでは70歳以上で明らかに出血の合併症が多いことが報告されており、特に高齢者では夏場の脱水などで容易に腎機能が低下しやすいことを考えると腎機能の影響を受けにくいイグザレルト錠の方が断然使いやすいのではないかと思います。

ワーファリンが使いにくい場合で、腎機能が問題ない若い方であればプラザキサ、腎機能低下がある方や高齢者はイグザレルトという使い分けがこれからはなされるかもしれません。なお、イグザレルトもクレアチニンクリアランスが49~15ml/分では10mg/日に減量(通常用量は15mg/日)、クレアチニンクリアランスが15mL/分未満まで低下している高度腎機能低下例には使えないことになっています。

腎機能の評価は血清クレアチニン値と年齢、性別から計算できるeGFR(糸球体濾過量)が最近よく用いられています。ただ、eGFR推定式には体重の要素が入っておらず、低体重の患者さんではeGFRとクレアチニンクリアランスが相関しなくなるため、イグザレルト錠の使用に当たってはeGFRではなく、Cockcroft-Gault推定式を使用しなければならないことに注意する必要があります

【注】Cockcroft-Gault推定式は、以下の計算式で計算できます。
男性 クレアチニンクリアランス = {(140-年齢)×体重(kg)}÷(72×血清クレアチニン値(mg/dL))
女性 クレアチニンクリアランス = 〔{(140-年齢)×体重(kg)}÷(72×血清クレアチニン値(mg/dL)) 〕×0.85

なお、凝固障害を伴う肝疾患の方、中等度以上の肝障害(Child-Pugh分類B又はCに相当)の方、腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の方、妊婦又は妊娠している可能性のある女性、HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル,アタザナビル,インジナビル等)を内服している方、アゾール系抗真菌剤(フルコナゾール以外のイトラコナゾール、ボリコナゾール、ケトコナゾール等)の内服又は注射をしている方、急性細菌性心内膜炎の方は投与禁忌となっています。

また、通常はイグザレルト錠はワーファリンのようにPT-INR測定によるモニタリングは必要ありませんが、服用24時間後のPT-INR(トラフ値)を測定することで、この値が1.5未満(通常はだいたい1.0~1.2となることが多いようです)であれば薬が効きすぎていることはないと考えていいようです。逆に言うとPT-INRトラフ値が1.5以上であれば用量調節あるいはイグザレルト錠中止を考える必要があります。イグザレルト錠 1錠分1朝食後で処方しておいて、内服開始後次の外来受診時、ちょうど服用24時間後にあたる朝の来院時間に合わせて1回PT-INRを採血してPT-INRが1.5未満であることを確認しておけば、より確実かも知れません。

なお、抜歯や内視鏡的処置、手術時など出血が予想される観血的な処置のときはイグザレルト錠服用24時間以降であれば行えるところもこの薬の使いやすい所ではないかと思います。

2012年9月時点の情報です。

facebookページ
よつばクリニック 内科 尼崎市 阪急塚口駅南すぐ 胃カメラ 大腸内視鏡 はおまかせ!
もしよろしければ、サイトに入っていただき、いいね!!ボタンを押していただきますと幸いです。
MIXIページ
尼崎 阪急塚口南 よつばクリニック 橋本内科 内視鏡 胃カメラで評判
サイトに入っていただきフォローボタンを押していただきますとうれしいです♫
Google+ページ、
尼崎 阪急塚口南 よつばクリニック 橋本内科 内視鏡 胃カメラで評判
サイトに入っていただきサークルインしていただけますとありがたいです☆彡

Good Luck!!皆様の幸せをいつもお祈りしつつ・・・クローバー

阪急塚口駅南すぐよつばクリニック橋本内科 クリニックのHPはこちら http://www.yotsuba-clinic.jp/ 



阪急塚口駅南すぐよつばクリニック橋本内科 スタッフブログ はこちら

阪急神戸線・阪急伊丹線・阪急宝塚線沿線 兵庫県尼崎市・伊丹市・宝塚市・西宮市・芦屋市・神戸市・川西市、大阪府大阪市・豊中市・吹田市・池田市の方がご来院いただいています。当院は診療所・クリニックです。予防接種・インフルエンザ ・健康保険を使った禁煙治療 ・炎症性腸疾患 ( 潰瘍性大腸炎 クローン病 ) ・糖尿病 ・B型肝炎 ・C型肝炎 ・メタボリックシンドローム ・脂質異常症 ・高血圧 ・脳梗塞後遺症 ・胃がん検診 胃カメラ 経鼻内視鏡検査 大腸内視鏡検査 胃X線検査 注腸レントゲン検査 ・ヘリコバクターピロリ菌感染症 ・慢性膵炎 ・高尿酸血症 痛風 ・逆流性食道炎等に対応させていただいています。

コメントを残す